犬の海外移住
昨日、7~8年間、毎月1度ショップに見えていたお客様が、ご主人の転勤でコロンビアへ引っ越すことになって、最後のご挨拶に見えられた。
Nさんは、2頭の犬を飼育されているので、その愛犬もコロンビアに移住することになる。
コロンビアへは飛行機の直行便がないため、アメリカ経由、もしくはヨーロッパ経由のいずれかのルートを選ばなくてはならない。
Nさんが選んだのはヨーロッパ経由のルフトハンザドイツ航空で、すでにコロンビアに行かれているご主人が2頭の犬のために、迎えにいらっしゃるとのことだ。
アメリカ経由でなくヨーロッパ経由、そしてルフトハンザドイツ航空を選択した理由は、犬たちへの検疫をはじめとする様々な負担を軽減することを優先した結果であると伺った。航空会社の犬の扱いもルフトハンザがとても優しいのだそうだ。
犬を飼育している過程で、人間側に様々な事情が生じる。
それが、当然予測されているものと、想定外の事情が生じることがある。そんな時、犬、あるいは猫をどうしようか、という課題の解決に迫られることになる。
事情によっては、そこから先の飼育が困難になってしまうことも少なくない。
そんな時どうすれば良いのだろうか。
あらゆるケースに備え、用意万端に整えている方もいれば、事が起きてからどうしたらいいのだろうと、慌てふためく方もいらっしゃる。
人も犬や猫たちも、どちらも多分に不確定要素を抱え込んでいる生き物同士なのである。
ところで、しばらくの間、Nさんとも会えなくなってしまう。
その挨拶に来たNさんが最後に言った言葉が私の心に染み入った。
「ラッキーもおかげさまで14歳になりましたが、かなり目が見えなくなっちゃって。そんな状況なのでもう日本には帰れないでしょうね。」
いつものように、Nさんは明るく笑いながら言った。
これからコロンビアに赴任して、一体いつ頃、また日本に帰られるのだろうか。
ラッキーも日本には帰れないかもしれないが、Nさんが日本に帰ってきたときには自分もいるのかどうかわからないなぁ。
昨日から、ずっーと、そのことが頭から離れなくなってしまった。