心も洗われる石鹸

毎日、メールや電話を通じてお客様と接しているのだが、ほとんどの方のお顔を拝見したことがない。それでも長いお付き合いになると、お互いの人となりが解りあえ、気脈が通じることもあったりする。

先だって、京都在住でジャックラッセルを数頭飼育しているOさんからメールがあり、Oさんが立ち上げたホームページへのリンク依頼があった。早速、Oさんのホームページを拝見したところ余りの見事さにすっかり魅入ってしまった。
ホームページそのものの出来にしても、そこに展開されているOさんが精魂込めて作られているHandmade SOAP、そして、その制作理念、感性が何とも素晴らしい。
人が手がけたモノである以上、そのモノには、善きにつけ悪しきにつけ、手がけた人間の全性(ぜんしょう)が嫌でも応でも現れるものだ。070612a1

Oさんは、シャンプーや化粧品などに用いられている石油関連物質や化学物質に対しNO!という立場で、天然素材を用いた石鹸を作られている。ただ、そこに留まることなく、もともとパティシエであるOさんの作る石鹸は、とてもおいしそうなケーキと見紛うほどの体裁で、また当然の事ながら、犬たち用の石鹸もちゃんと用意されている。
「BISOUS!」(フランス語でビズゥと読み、キッスの擬音語だそうです)というブランド名のOさんのHandmade SOAPの素晴らしさは、私などが説明するよりもホームページを見てもらえば一目瞭然なのだからこれ以上余計なことは言わない方がいい。

そのOさんが先日ショップにお見えになった。
「BISOUS!」の理念に加え、「馬油」を使った石鹸を作っていただけないかという私の身勝手なお願いを快く聞き入れていただいたうえ、京都からわざわざお出掛けいただいたのだ。
石鹸の話はそこそこに、初めてお会いしたのにイヌキチ同士の話題は尽きることなく、ほぼ半日、とりわけ私のほうが一方的に喋り捲っていたような気がして、今更ながら、年甲斐もなく冷静さを欠いてしまって申し訳なく思っている。昔、輪島塗の名工であった亡き友人に、「お前のような関東人なんて大いなる田舎者で、少しは京都で遊んで見なければ救いようがないよ!」と、酒の場で罵られて以来、どうも京都の人には劣等感を感じてしまう自分がいる。
そんなOさんは、長いこと愛犬たちに100CLUBの生馬肉食を与えている。それは、Oさんが作る石鹸が、人や犬たちの生命、そして環境に徹底的に優しい石鹸であるように、犬たちの健全な生命の維持にとって、何よりも優先されなくてはならない適正な食餌は生食であり馬肉食であることを確信しているからに他ならない。
「BISOUS!」のHandmade SOAPと100CLUBの生馬肉食は、その理念を共有しているのだ。070612b1 よって立つところの、この地球を破壊してしまうほど、どうしようもない人間のエゴがもたらす愚挙。本来、手段であったはずの「お金」が、それを目的として血道をあげる輩が後を絶たないこの乱世に、Oさんのお仕事は、ひそやかに咲く野の花のような自然美に満ちていて、かけがえのないあらゆる生命に対し、私たちがなさねばならない決意を凛として示しているように感じられる。
何時の日か、「BIOUS!」と100CLUBのコラボによる犬たちの石鹸シャンプーの誕生が待たれてならない。

 
scroll-to-top