「ペットフードで健康になる」を評する Ⅹ

今、日本社会を見渡すところ、犬や猫たちは人間の精神を安定させることにおいて最も効用のある存在となっているのではないだろうか。

日本の造語らしいが、アニマルセラピーの研究も医学的に進められているようだ。


単なる愛玩動物からより感情移入が強まって、家族と同様の大切な存在となった犬や猫たち。

素晴らしいことではないだろうか。


しかし、この状況を喜んでばかりはいられない事態も多発するようになった。

殺処分ゼロ、保護犬活動も盛んに行われているようで、そのことは決して悪い事とは思わない。しかし、そのようなことになってしまう原因については様々ではあろうが、どうにも止められない茫漠たる闇の世界が支配しているように思える。


私のような、犬や猫バカに一体何が出来るのだろうか。

せめて一生を健康に過ごさせてあげたい。

絶対病気などにさせてはならない。

その位のことしかして上げられないのではないか。

犬や猫に限らず、動物を健康に育てるための飼育法の第一はその食餌である。

100CLUBをたちあげたのはそのような理由からだった。


今日でこの連載を終わりにするが、100CLUBを始める前から、そして始めてからでも、粗悪なペットフードによって、どれほどの犬や猫たちが健康被害に合っているのか、それは日本だけではなく、本家のアメリカにおいても枚挙に暇がない。

どれほど良心的にペットフードを作ろうとも、NRC、そしてAAFCOを基準にしている限り、犬や猫たちの食餌から受ける災禍は止まらない。


「ペットフードで健康になる」というタイトルで出版した坂本さんは、犬のことにはまったくの素人であったのだが、私のようなものを絡ませてしまったために、本書で何を言いたいのか、その意図がまったく分からないものになってしまった。

本書を読んだ多くの方たちは、愛犬、愛猫の食餌に何を選択して良いのか混乱したのではないだろうか。

もし私が本を書くようなことがあったら「ペットフードでは健康にならない」というタイトルにしたいとさえ思っている。


この期に及んで、ずいぶん言いたい放題のことを書いてしまい、またもや多くの敵を作ってしまったかも知れないが、そんなことは人間のことでしかないのだから、犬や猫の立場になって考えてみればどうということはない。


このブログでの連載を終えて、これからも、犬や猫たちの健康、そして飼い主さんたちのために、初心に戻ってより良いフードの開発を進めて行くことを決断するに至った。

 
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