2017/08/21

馬肉のペットフードなら100CLUB(ワンハンドレッドクラブ)
離乳段階から生馬肉で育ててみたいと考えていたので、日本スピッツのブリーダーに無理を言って仔犬を引き取ったのは生後40日くらいだった。
それ以来、今日まで生馬肉一筋で13年間育ててきた。

名前は「雪之丞」とつけた。言うまでもなく「雪之丞変化」からとった名前で、といってもそれって何?といわれるほど昔の話で、私が12~3歳だから、今から60年も前の美空ひばりの主演映画なのだ。
美空ひばり唄う主題歌「江戸の闇太郎」名調子は、今聞いても惚れ惚れする。

その「雪」は、連れてきてから直ぐに100CLUBの事務所で育った。
そこには、昼には私を含めスタッフもいて、食餌、散歩、清掃と面倒をみていたのだが、夜間は秋田犬の成犬3頭と一緒の部屋で育った。
スピッツのブリーダーは、まさか秋田犬の中に入れるんじゃぁないでしょうねぇ、というので、そんなことしませんよ、と言いながらも即日仲間に入れたのだった。

その1年後には、シェパードの「レイ」が仲間入りしたのだから、大型犬4頭のなかで小型犬が生後40日から10年間以上暮らしていたことになる。
これだけ犬仲間の世界で育ってきたのだから、多分「雪」にとって飼い主と呼べる存在が誰なのか判然とはしなかったのではないかと思う。

今から2年ほど前、秋田犬が「珀」だけになり「雪」と2頭が、初めて私たちと同居することになり事務所から我が家に移り住むことになった。
それから1年ほどして「珀」が逝ってしまい、今は「雪」1頭で飼い主3人を独り占め状態になっている。

我が家は居間が1階で、2階に3人の部屋がある。
朝の散歩。夕方の散歩。夕食。そして、3人が2階に上がって1階には「雪」だけが就寝というパターンで日々過ごしている。
もともと「雪」は、犬の中で育ってきたせいで人にベッタリとしないところがある。
犬には興味があるのだが人間に対してはさほど興味を示さない。
だから、夜、居間に1頭で寝ていても寂しいとは思わないのだろう。
つい最近までそう思っていた。

ところが、ひと月ほど前から夜毎異変が起こるようになった。
1階からゴソゴソ、ガリガリ。特に階段下の廊下に敷いたマットをかきむしるようなことを仕出かす様になった。はじめはトイレなのかも知れないと、夜中に外に連れ出したりもしたのだが用を足す様子もない。
連れ戻って休んでいると、間もなくまた階下から音がする。

今までは、仔犬の時からいつも寄り添っていた「珀」がいた。
その「珀」は逝ってしまったのだが、夜は人間と離れ犬だけで寝るのが習慣になっていたのだし、事実、そういった日々は1年以上も続いていたのだった。

それがどうしたことなのか、このところの様子がおかしい。
2階に上がりたいのかもしれない。
三軒茶屋の事務所での生活も2階だった。したがって、毎日階段の上り下りはしていたのだから、2階に来たければ勝手に上がってくれば良いではないか。
足が弱ってきて上がりたくも上がれないのかも知れないよ、という意見もあったり、寄る年波で、どうも独り寝の侘びしさが肌身に感じるようになってきたのではないのか、とか、あれやこれやと家族会議が始まった。

いずれにしても、ものは試しで2階に上げてみよう、ということになった。
そして、最初の夜は2階まで抱き上げてやった。
2階に上がると、もの珍しさにカチャカチャそれぞれの部屋や廊下を行ったりきたり動き回っていたが、その内眠くなってベットの足元でぐっすり眠り込んでしまった。

夜になって、2階に上がるのは3人ともばらばらで、一人上がると「雪」は階段の下まで行き、また居間に戻ってきて残った二人の顔を覗き込み「上がらないのか?どうするんだ?」その内「俺はどうしたらいいんだ?」といった、当惑しきった表情になる。
余りに可哀想になったので、ある日3人で一緒に2階に上がってみた。
すると「雪之丞」は、脱兎の如く階段を掛け上ってきたのだった。

いずれにしても、ここにきて「雪之丞」に大きな変化が起こったのだ。
13年過ぎて、ようやく家の子というか私たちの子になったということなのだろう。
 
 
 
 
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