GET BACK

ペットフード全盛時代に、それは間違いである、と主張し、犬や猫たちは肉食動物なのだから、その適正な食餌は生肉であり馬肉であると、当たり前といえば余りにも当たり前のことではあるにしろ、あろうことか、生馬肉食の商品化に踏み切ってしまった。0804011十年ほど前、商品化にむけての最大の課題は、生馬肉食が科学的に誤りは無いのか、有効であっても安全性において万全なのか、という点にあった。

その答えを求めるべく、動物学者、生物学者、動物園などを訪ね歩き教えを請うた。某大学のI教授は、国産ペットフードの生みの親として知られた方で、私の考え方に賛成はするものの、やったことが無いことについては学者である以上はっきりとした答えを言えるはずもなく、少し期待はずれだった。
しかし、I教授から、犬、猫に関しては研究者がおらず、従って世界的にも栄養学の学術文献がないため、ペット社会を受け、学会としても研究を進めねばならないという機運が高まっている、という話を聞いた。栄養学の文献もないのにどうやってペットフードを作ったのか、質問してみようと思ったが、それは止めた。
獣医学においても、産業動物である馬、牛、豚、鶏などの研究は進んでいるが、犬、猫に関しては当時、ほとんど手が付けられていなかったのだ。
動物学者も、研究対象として、目の前に、当たり前の用に存在している犬や猫に興味をそそられる人はほとんどいないようで、野生の希少動物が対象になることが多い。犬や猫の研究より、はるかに野生のオオカミのほうが多く研究され文献も多いのだ。

ところが、最近になって、とりわけ遺伝子学の発展にともない、またペット社会が拡大したことも要因となり、犬に対してようやく科学の眼が当てられるようになってきた。
そうなってくると、犬の行動学を始めとし、これまでの犬に関する様々な常識の多くが覆されることになってきた。
科学な目線で犬や猫たちのことを語り、考え、育てていくことに、違和感を持つ方も少なくないかもしれない。
しかし、犬や猫という動物を真から理解しなければ、私たち人間との共同生活において様々な不都合が生じることになり、そんなことになってしまえば、犬や猫たちも、そして私たちにとっても不幸この上ない。
例えば、犬の行動学の誤りが解消されることで、犬と飼い主の間にいらぬトラブルは起こらない。
また、ブリーディングにしても、これまで健全な犬を作るための確たる科学的な根拠が無かったのだが、遺伝子学を用いれば、遺伝的疾病も皆無となるであろうし、遺伝子治療も可能となるだろう。

100CLUBも、このところいろいろあって、避けようも無いトラブルに端を発し、あわてた行動によってミスの連鎖も起こしてしまい、お客様に大変ご迷惑をお掛けしてしまった。
この問題も、4月の上旬には解消できる目処もついた。
そこで、今回のことを契機に、新たな犬や猫に対し科学の眼を持って勉強し直して、誤りであった知識を見直さねばならないと心に決めた。そして、知り得た情報を、あらゆる機会を通して発信していかねばならないと思っている。
昨今蔓延している、情に偏った犬との付き合い方を是正し、科学的な理性の眼をもって犬に対する必要があるのではないかと考えている。そうしても犬や猫たちが、私たちを魅了し続けることは何も変わらない。

 
scroll-to-top