BARF DIET

 オーストラリアのドクターが提唱している、犬や猫たちの健康食「BARF DIET」が最近話題になっているようです。
BARFというのは、「Biologically Appropriate Raw Food」(生物学的に適正な生食)の頭文字です。
つまり、犬や猫たちは肉食動物なのだから、本来、そのものたちが食べていた草食動物や魚をそのまま与えることが、最も理に適った食餌なのだという考え方です。
このような考え方は、何も特別なものではなく、当然と言えば余りにも当然すぎる考え方なのです。
つい最近、朝日新聞の朝刊一面に「犬のルーツは約1万5千年前、東アジアで家畜化されたオオカミで、アジア・ヨーロッパ・米大陸の順に広がっていったとみられる。」ということが、2つの国際研究グループによる、犬とオオカミのDNA分析によって解明され、11月22日発行の米科学誌「サイエンス」に発表される、という記事が出ました。
その頃から、つい数十年前まで、犬や猫たちの食餌にドライフードや缶詰という加工食品は使われていませんでした。
今、「崩食の時代」とまで呼ばれるように、人間たちの「食」の文化も生活様式の変化に伴って、調理をしないで加工食品に頼る人たちが多くなっているようです。
人間もそうなのだから、犬や猫たちの食餌もインスタント食になっているのは当たり前かもしれません。
一方で、このような「食」の文化の変化を危機と捉えている人たちも多く、昨今のBSEや雪印のような問題、農薬や抗生物質、添加物などの食品に関わる諸問題に対し、健康を守ろうという防衛意識が高まっている面もあります。

 私たちは犬や猫たちの健康について、その基本は「食」にあると考えているのですが、この仕事を通じて感じるのは、犬や猫たちの問題ではなく人間の「食」文化に対する意識の問題に収斂するのです。
犬や猫たちが自身で「食」を選択する余地はなく、飼い主である人間の選択に委ねられている以上、その生命もまた人間の手中に握られているのです。
犬や猫たちを飼育する皆様は、その責任が如何に重大であるかという自覚を持たなければならないと思うのです。

 ところで、オーストラリアのドクターの提唱する「BARF」は、100CLUBのオリジナルフードと全く変わるところがありません。
ただし、オーストラリアは英国文化圏の国ですから、馬肉や鯨の肉は積極的にはすすめません。
フランス・イタリア・スペインなど「食」の文化が発展した国では、馬肉を食しています。
日本も「食」文化については、本来、世界に誇れる国であろうと思います。
ですから100CLUBの「BARF」は、安全で新鮮な生の馬肉・骨・レバーを主食としているのです。
大袈裟な言い方をすれば、犬や猫たちにとって世界中で最も優れた適正な食餌は、日本にあるといってもそれ程間違ってはいないような気がします。

川邉 剛

 
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