鶏の骨

 「これから獣医さんで、開腹手術を受けなければならないのですが…」
ご夫婦揃って、オロオロした様子でショップに来られたお客様がいた。
「どうしても手術をしなければならないのかどうか、決心がつかないので最後だと思い、相談に来ました。」
落ち着いて詳しくお話を聞いたところ、その相談の内容は、

  • 愛犬が「鶏の骨」を拾い食いしてしまった。
  • 鶏の骨」は絶対に食べさせてはいけないと思っている。
  • あわてて獣医に行きレントゲンをとったら、胃の中に「鶏の骨」が写った。「2日後にまた来てください」と言われた。
  • 知人に相談したところ、「コンニャクを食べさせてみたらどうか」「巣鴨の刺抜き地蔵のお守りが効くのではないか」と言われ実行した。
  • 2日後、獣医に行き、またレントゲンをとったら「鶏の骨」は写らなかった。
  • 写らない理由は、「鶏の骨」が腸に移動し、腸内にガスが充満しているからだ、と説明された。
  • 獣医さんは、「即刻、開腹手術をしなければいけない」と言った。
  • ご夫婦は気が動転し、手術の準備をしたものの、最終的に決断をしなければならないと思い、当店に相談に来た。

 私は、これまで腹を抱えたくなる程の面白さと憤り心頭に達する、そのような事態を同時に体験したことがありません。

 この件から2週間経っているのだが、どうしても忘れることが出来ずにいたところ、ショップにそのお客様が見えたので、思い切って最初のニュースに書くことを決めました。
捨て犬だったこのワンちゃんは、とても優しくて楽しいママが里親になって本当に幸せです…
開腹手術などせず、いたって元気でした!

川邉 剛
 
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