犬のおかげで生きてこられた
人類は、地球の幕引きに登場した動物である、と誰かが言ったことを思い出した。
地球温暖化は深刻で、ようやく国連の環境サミットで、汚染国のNO,1のアメリカとNO2の中国が排出物の規制に乗り出す構えを見せたが、本当にどこまで実効性があるのか分からない。
また、バチカンが一千年以上にわたって平和を呼び掛けていても、戦争は危機的な拡がりを見せていて、平和という理想郷の実現はほとんど絶望的な状況に立ち至っている。
バチカン自体が、性犯罪の巣窟と成り果て、マフィアに仕切られてしまっている現状なのだから、何をか言わんやという始末なのである。
犬は間抜けだと多くの人が思っている。
しかし、もし、犬が人並みの欲望をもっている動物だとしたら、むろん人間のペットなどという立場に甘んじている訳がない。
それが、たとえ犬の処世術だとしても、これだけ平和主義者のような犬たちを見ていると、少しは人間も見習ったらどうだろうかと思ったりもする。
もう人間は、犬には戻れっこないしどうにもならない。
第一いつからこれほど醜悪な習性を身に付けるようになったのだろうか。
70年もの間、自分なりには結構頑張って生きてきたつもりではいるのだが、どこかで目的意識を失い、ただ単に時代を漂流してきただけなのかも知れない。
目を奪わんばかりの時代の変化は、同時期を生きてきたつもりではいても、とてもその流れにはついてはいけない。
幸いにも、時代の変化には関わりのない犬や猫たちに深く関わってきたおかげで、漂流はしていたとしてもかろうじて溺れ死にはしなかった。
まさに犬や猫たちのおかげで、かろうじて今を生きていけていると正直そう思っている。
この駄文を書いている傍らには、2頭の愛犬が寝そべっていて、話しかければ擦り寄ってきて甘えてくる。
何という能天気な時間なのだろうか。
これ以上求めるものなど何もない。