炭水化物を止めてみる

普段、本は通販で買っていたので本屋に行くことは少なくなっていたのだが、今回、畏友から勧められた「炭水化物が人類を滅ぼす」を探しに、一年ぶりに本屋に行った。
行ってみると、本の虫病が一気に再発し、結局、余分な本まで買い込むことになって、この一週間読書に熱中してしまった。
通販で必要な本を買うのと、本屋で様々な分野の本やら雑誌が並んでいるものから興味のあるものを選ぶ楽しみとは、まったく違う世界であることを改めて知った。それは実に楽しい時間だった。

ところで「炭水化物・・・」は、単にダイエットのハウツー本ではなく、グローバルな食文化の歴史にも科学的見地から考察を深めていて、仮設ではあるけれども納得できる内容であった。
日本だけの話にとどめるが、農耕が始まる弥生時代のはるか以前にまで遡るならば、小麦、米を食べているわけではなく、どんぐりなどの木の実や川辺や海辺の魚介を食としていたし狩りもしていたのだから、炭水化物は食していなかった。
したがって人間の食性は穀物を食べる必要もなく、消化器官も肉食に適応した構造になっているというのだ。
圧倒的に生産効率が高い小麦、米などの穀物は、灌漑施設の建設が可能になり、水の供給がコントロールできるようになったことで爆発的に拡大し、4大文明の成り立ちの源となった。
そして、パンや米は、それぞれの国において神の恵みとしてあがめられる存在ともなった。

そうであっても、そもそも人類の食性にはそぐわない食であることには変わりなく、その弊害が、肥満や糖尿病の蔓延につながっていて万病の元だと説く。
実は、自分でも実験的に炭水化物抜きの食事に切り替えてみた。犬と違って馬肉ばかりという訳にはいかないが、ひたすら炭水化物を避けてみて、体調がどうなるか試してみようと思っている。
これまでは、どちらかといえば草食男子だったと思うのだが、これから先は肉食男子ということになる。
この歳で何をぬかしているのかと哂われるのがオチかも知れない。

 
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