日々、犬話し

午前10時~午後8時まで、正月を除いて一年中休み無しにショップを開いている。
貧乏暇無しを絵に描いたような毎日の生活だが、好きなことを仕事にしているのだから辛いということも無い。
したがって夕飯は午後8時半くらいからになるのだが、その貴重な団欒の時間の話題は、決まってスタッフ犬の「珀」と「雪」のその日の体調や、あんなことがあった、こんなことがあったといった犬話に終始する。
よくも毎晩と思うのだが、ひとしきりそんな話が続いた後は、私を除いて食卓を離れTVもしくはPCを始めたりしている。
どうしてこんなにも早く飯を食べ終わってしまうのか唖然とするばかりだが、酒飲みのぐうたら話には付き合ってなどいられないのは当然の事かもしれない。

そんな、毎晩繰り返される犬話で、このことだけは重要だと考えていることがある。
私がショップにでている時の主な仕事は、お客様からの犬育ての相談室と接客、そしてスタッフ犬のマカナイ飯作りだ。
不思議なことに、同じ食材やサプリメントを与えていても作り手が変わると犬の体調が変化してしまう。
以前スタッフが多かったときは給餌のレシピを詳細に示して、誰が給仕をしても問題の起こらないようにしていたが、それでもどこか変調をきたすことがある。
商品開発のときなどは特にそれが激しい。

お客様からの相談のほとんどが犬の健康問題で、その食事内容を聞いてみると驚きの食餌管理をやっている。
そんなことになってしまう理由の一番は、トンデモ本やネットの情報を真に受けて正しい判断が出来ないほどに混乱してしまっているケースだ。
犬も可哀想だが、それが原因で病気にしてしまった飼い主さんも悲劇だと思う。
ほぼ毎日のようにこのような電話やメールに接していると、私も初心に戻って、少しおこがましい言い方になるかもしれないが、適正な食餌の啓蒙活動を改めて積極的に行なわねばならないと思う今日この頃だ。