人は犬より鈍いかも知れない

青森県北里大学の獣医学部の学生さんが中心となって、犬や猫たちの里親探しの活動を描いたTVのドキュメンタリーをみた。「北里しっぽの会」という。
このような活動は全国で展開されていて、100CLUBのお客様にも保護犬を飼育している方が多くいらっしゃる。
このTVでは、精神的ストレスで人に対して異常に恐怖心をもち、散歩すらままならない柴犬を、学生さんが一時自宅に引き取り、根気強く正常な状態に立ち直らせ、里親さんに引き渡せるまでの努力が描かれていた。

100CLUBにみえるTさんが保護されたKAI君も大変なビビリ犬で、Tさんも大分手を焼いていたご様子だったが、Tさんの努力の甲斐あって少しずつ人馴れしてきた。今では2頭目の保護犬TAKU君と毎日散歩三昧で順調そのものだ。

犬も人と同様で、その性格は様々だと思うが、平均的にいえば人より余程鋭敏なところがある。
ある動物学者に話を聞いたのだが、人の場合、特に都会で生活していると、その人口密度の高さに驚くばかりなのだが、動物だとこのような密度にはとても耐えられないという。したがって自然界での哺乳動物は、おのずと密度を調整しているのだ。
とてつもない嗅覚をもつ犬などは、毎日の通勤ラッシュと同じ環境におけば発狂してしまうかも知れない。
そのような都会で人と暮らす犬たちは、そもそも環境が劣悪なのだから、そこのところを承知してケアしてあげることが大切なのだと思う。

余談なのだが、麻布にお住いのAさんが飼育しているドーベルマンのアリスは、花火の音にビビッてしまうため、その晩は100CLUBのショップに避難してくるほどなのだ。ある時、例によって花火を避難してショップにみえたら、ドーン、ドーンという音が響いてきて、アリスがビビリまくってしまった。驚いたAさんは、この音は何ですか?というので、今日は多摩川の花火大会ですよと伝えると、いやぁ~こまったなぁ~、何処へ行ったらいいだろうと、頭を抱え込んでしまったことがある。

犬の気持ちになる、あるいは分かるということは、人間よりはるかに鋭敏な神経をもっている相手だということを忘れてはならない。
もし犬より勝っているところがあるとすれば、狡賢いことばかりを企む脳を持っているところくらいじゃないだろうか。
犬に学んだ方が少しはましな人間になるのかも知れない。

 
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