ペットフードの不都合な真実(2)

農産物、畜産物(牛・豚・鶏など)、漁業などの業者は、いずれも人間の食糧を意図して生産活動を行っている。
誰一人として犬や猫の食餌を意図して生産活動をしている人がいるはずがない。したがって犬や猫たちの、いわゆるペットフードは、食糧の生産によって生み出された原料ではない。

米国科学アカデミーの原料のトップには動物の死体残留物と明記されている。
牛・豚・鶏などの食肉は、生きている家畜を屠殺して食肉にするのであって、その家畜が飼育中に死んでしまったものは食品にしてはならないことになっている。
この点においても、ペットフードがその原料を明確にできない理由があるのだし、明確にする必要がないという決まりなのだ。

人の食品は、食品安全基本法や食品衛生法等々、厳正な法律によってその安全性が担保されている。
そんな人の食品でも、毎年のように偽装食品問題がニュースになっている。ペットフードにはそもそも安全性を十分に担保する法律など無い。とってつけたような不完全な名ばかりの安全法が最近作られたのだが、メーカー側の都合が優先されたもので十分とは言えない。

「犬の栄養要求量」では、エネルギー、炭水化物、蛋白質、無機質(カルシウム・リン・鉄・銅・コバルト・カリウム・その他)ビタミン(A・D・E・K・チアミン・パントテン酸・その他)という具合に、それぞれの栄養素がどの程度必要で、欠乏するとどうなってしまうかなど、私などがこの資料を読んで内容を理解するには一年掛っても難しい。

難しいのだがよくよく読んでみれば、この研究資料の意図は、人にとって重要な食糧である肉を中心として、食品にならない食材、つまり食品廃棄物を利用して、何とか犬に必要な栄養を確保しようとするものであることが理解できる。
つまり、研究の目的は人間の食糧を確保することが大義であって、その廃棄物の処理コストを犬の餌にしようという画期的なプロジェクトであることが透けて見えるのである。

この話はもう少し続けようと思う。

 
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