こころのAIBOにはこころがない

1999年。ソニーからAIBOという「ロボット犬」が発売され、わずか20分で売り切れになるほどの大ヒット商品となった。価格はおよそ25万円だった。
その後、10代ほどの改良型が発売されたのだが、2006年に生産終了となった。
キャッチコピーは「こころのAIBO」といった。

日本はロボット大国だといわれているのだが、福島の原発事故の現場には外国製のロボットが数台投入されたがそれほどの成果を挙げたとは言えない。
日本でも慌てて「アシモ」の技術を作業用に特化させたロボットを開発したのだが、はかばかしい成果は挙げられなかった。

一方、工業用のロボットについては、目覚しい技術力によって多方面で成果を挙げており、今や工業用ロボットの存在無くしては、工業製品は成り立たないと思われるほどの進化を果たしている。

ロボットの役割、その重要性については充分理解しているつもりではあるのだが、そのロボットに人間の心とか愛情とか、そういった精神性を追求していくのはどうかと思う。

今でも一部のロボットオタクが「AIBO」で楽しんでいるにしても、ソニーが「こころのAIBO」で失敗したのは、ロボットでは造り得ない犬の「こころ」そのものなのではないだろうか。
犬に心が無ければ、人の心と通い合う余地などあるはずが無い。

 
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