「ペットフードで健康になる」を評する Ⅳ

本書の中で、私が最も頭に来るのは、坂本さんにではなく、坂本さんがインタビューをしたY社の社長の言葉である。

ここでは100CLUBと言ってはいないが、明らかに当社のカルシウムサプリメントに対する中傷発言をしているのだ。

余りにも大人気ないのでこれまでこの件に触れたことはないのだが、改めて再読してみてこの人のでたらめ発言に対しこのまま黙っている訳にもいかない気分になってしまった。


その発言は

「尿路結石の改善については、いろんな実例が積み重ねられつつあります」

この発言も意味不明なのだが、続けて

「これは他のフード会社さんの問題ですけど、カルシウムの補給に石灰石が使われたりする。動物の骨を原材料に使えば、もとは同じ動物が食べて作ったものですから、身体にはやさしいわけですよ。それは化学記号で言うとCaという同一のものですが、石をカルシウムとして取り込むのとはぜんぜん違う」


ここで「・・・他のフード会社さん・・・」と言っているのは100CLUBのことである。何故なら当社のみがカルシウムサプリメントが石灰石(鉱物由来)と公表していたのだから。


そのほかの部分は、もう滅茶苦茶で、何を言っているのかチンプンカンプンな文脈で、坂本さんも坂本さんで、こんな話を聞き書きとはいえそのまま原稿にしてしまったのは大失態だと思う。


当社のカルシウムサプリメントは、石灰石(
CaCO3)から純粋なカルシウム(Ca)を抽出し、醗酵L型乳酸カルシウムやマグネシウムなど、すべて天然由来の10数種の成分を配合したカルシウム化合物である。

石灰石を粉にして作られているのではない。


ちなみに、人間も含めたカルシウムサプリメントにはおもに3種類のカルシウムがあげられる。

カルシウム自体はほとんど水に溶けない、つまり水溶性が悪いのだが、その悪い順に3種のサプリメントを順に述べると

・炭酸カルシウム(CaCO3)→卵の殻、貝殻などで、水溶性が極端に低いため、体内の骨に吸着する可能性が高く使用するべきではない。犬の手作り食などの本では、卵の殻をすりおろしてカルシウムとして使うことを薦めているものもあるのだが、これなどはとんでもない話である。

・燐酸カルシウム(H3PO4)+(Ca)→馬や牛、魚などで炭酸カルシウムより水溶性は高といわれている。

・乳酸カルシウム(C6H10CaO6・5H2O)→燐酸カルシウムの3800倍、炭酸カルシウムの6800倍の水溶性が高いといわれており、そのため余剰成分が体内に残らないので過剰摂取障害がない最も優れたカルシウム化合物といわれている。


簡単な説明かも知れないが、この位の知識はメーカーの社長であれば知っていなければならないし、ましてや他社の批判などとんでもない話ではないか。
当社に対する批判に限らず、Y社の本書における発言は余りにもひどすぎる

 
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