魚のフードはイギリスから始まった

1986年、イギリスで発生した狂牛病は、間もなく世界中に拡大した。

ペットフードは、それぞれの国の食文化が反映する傾向があって、イギリスでも牛の食品残渣物である肉骨粉がペットフードに使われていたのだが、このBSE問題以降、肉骨粉は一切使用しないことになり、主に魚が原料になった。


それと同時に、イギリスではアメリカのNRCAAFCOとは一線を画しているようで、グレインフリー(炭水化物等穀物)とかいって、100CLUBフードに近い考え方をしている。

ただし、カリカリフードであることに変わりはないので、お題目のようにグレインフリーといってみたところで中途半端であることに変わりない。


今度、魚シリーズの開発を進めてみて分かったことがある。

例えば、マグロの水揚げ日本一とか、そういうことを競っている水産加工団地のようなところでは、マグロの頭や骨、はらわた等の残渣物は、それを集めている飼料会社が自動的に引き取るシステムが出来上がっている。

その飼料会社は、マグロ(マグロだけではない)の残渣物から魚粉、魚油などを製造し、主に肥料、飼料、そしてペットフードのメーカー等に販売している。


要するに、一部のペットフードの中身には魚粉も使われている。

これはイギリスのフードも同じ様なもので、その他の成分はそれぞれのメーカーによって違うかも知れない。

しかし、魚の粗から作った魚粉では、たんぱく質が明らかに足りないのだから、その足りないものは何の原料が使われているのか、それぞれのメーカーによって異なる。

いずれにしても、丸ごと主義ではない以上、足りない栄養価をどうするのか。
特に良質なたんぱく質は人間の食になるのだから、残渣物からだけではどうにもならない。

その足らざるところをどのような原料で補うのか。本当に補えているのだろうか。

ここのところが、実は市販されている一般のペットフードの大きな弱点だと思う。


魚シリーズは、今のところWEB上では購入できないが、お電話やショップに来られてお買い上げいただいている。

そして、給餌した結果のご報告が寄せられているが、とにかく犬や猫たちの食い付きの良さに驚いておられる。

その姿を見ていると、このフードを与えていることに幸せを感じるというご意見があった。

そのお話を伺って、私もようやくホッとした気分になった。

 
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