犬や猫を擬人化する「手作り食」

3月11日を挟んで今日まで、ほぼ10日間言葉を失ってしまった。
そのままでいる訳にもいかないので、また一歩ずつ事を前に進めていこうと思う。

このところ目立って多い質問があり、その質問にお答えしているうちに、再三再四このHPで提唱し、注意を喚起してきたつもりでいたのだが、月に一度くらい繰り返して言っておかなければ、犬も可哀相だし飼い主さんも大変なことになるだろうと考えたので、くどいようではあるけれどあえて書き留めておく。

犬の食餌について、いろいろな意見もあるけれども、生涯健康に育てるために絶対に避けなければならない注意点を挙げておく。

その一つは、毎日の食餌内容を生涯替えないという原則を守ることである。
そのことを実践するためには、「手作り食」を止めることだ。
「手作り食」というものは、市販のドッグフードのアンチテーゼだと思うのだが、その本質は「犬の食の擬人化」であり、その結果犬の健康を損ねることが必至だからである。

犬が肉食動物であり、すなわち捕食動物であることから考えれば、猫が一生涯鼠を食べていることが最適な食餌だと思うのだが、「手作り食」で鼠に匹敵する栄養価を与えることはほぼ不可能だと言わねばならない。このことは犬の食についても同じことで、肉食動物にとって必須の栄養価を与えられないどころか、むしろ栄養価としてはマイナスに作用する食材までも与えることになってしまう。

そのような不完全な栄養価にならざるを得ない「手作り食」を、まるで日替わり定食のごとく作り与える。生涯食を変えないことが、犬や猫を健康に育てる大原則なのに、日々リスクを拡大することになる
生馬肉食オンリーを提唱し続けてきた100CLUBの考え方に対して、同じ馬肉ばかりではアレルギーになってしまう、という方もいるのだが、それは牛、豚、鶏というアレルギー特定食品を与え続けるとあり得る話なのであって、馬肉に関してはそのようなことは起こり得ない。

いつも言っていることだが、動物園の動物飼育を見習うことが、犬や猫を生涯健康に育てる最良の方法なのだ。
動物園で肉食動物に炭水化物を与えるなんて聞いたことはないし、馬肉以外の肉を与えることも聞いたことはない。

 
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