FOODではなくFEED

100CLUBを始める前、私は犬も猫も育て続けてきたが、その食餌を「ゴハン」とも「フード」とも言ったことがなかった。
「エサ」と言っていたのだ。
ヨーキーと暮らしていた友人に「エサ」なんて言い方はとんでもない。今時は「ゴハン」と言わなきゃだめだ、ときつくいましめられたことがある。

犬や猫たちは、同じ動物でありながらペットとして、なお家族の一員として人間社会に組み込まれた存在になった。
そこのところに非を唱えるつもりは毛頭ない。
そうであるならば、その肉食動物としての食性に注目すべきではないか、ということが言いたいのだ。

昨日も書いた通り「ペット・フード」とは、どんなに可愛かろうと、家族であろうと、絶対に肉はあげないぞ。その代わりに、おれたち人間の残飯を利用して、お前たちに必要な栄養は確保してあげるよ。ということで米国農務省傘下の米国科学アカデミーが「犬の栄養要求量」という研究に血道をあげたのだ。
肉は人間が食べるものだという絶対的権利を守ろうとしたこと、そして人間の出す食品廃棄物の処分コストを減らさねばならない、という大命題のもとになされた研究でありその成果なのだ。

その成果にもとずき、それをもっとコストカットしなければならないと、新たな基準を定めたのがいわゆる業界で、「AAFCO」という大甘な新基準を設けてしまった。
その新基準を金科玉条のごとくに扱い、かくして「ペット・フード」はマーケティングの一大成功例として世界を制覇することになった

それならそれで、「PET・FOOD」という欺瞞に満ちた言い方は止めて、正しくは「PET・FEED」と言い換えるべきではないだろうか。
FOODは食品でFEEDなら飼料なのだからそれなら納得する。
「PET・FOOD」というネーミングで市販されている、実は「PET・FEED」は、言わせてもらうならばペット版サブプライム・ローンと言っても過言ではない。
リーマンショックと同じように「ペット・フード」ショックが起こるかもしれない。
いや、それはすでに起こっているのではないだろうか。

 
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