小商人の精神

物心が付いてからこの歳まで、身に染み付いてしまっていて、そのことから容易に変化を求める事が出来ない幾つかの事がある。

その内、三点ほどについて言うとしたら、一つは犬であり二つはジャズである。
そして三点目は小商人(こあきんど)根性だ。

田舎町の職住が一体になった商家で育った環境は、朝から晩まで、そして週休も無く働きずくめの両親の姿を見て、10歳も離れた兄が夢中で聞いていたジャズを耳にし、そして私の遊び相手にはスピッツの仔犬が与えられたのだ。

ジャズと犬の話はおいおいお話しするとして、この小商人根性というのがどうにも消せないくせになっている。
正月以外、年中無休で店を開いていて休む暇も無い。自分はそれでいいとしても、一緒に仕事をしている家族やスタッフはたまらないものがあるようだ。

とにかくお客様、犬や猫たちに対して、ものが必要なときに応えられないとしたら商人として失格だと思っているので、仮に休んでいたとしても困っている方がいらっしゃるのではないかと気が休まることが無い。

現状、この業界では「倫理の低下」が巻き起こっている。
小商人としては、どこまでもお客様は神様である以上、これまでのあり方を見直し、一日も早い正常化と進化を求めて徹底して頑張らねばならない。
「ヨイトマケの唄」のエスプリと変わりない。

 
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