ポール・ヴァレリーと犬の話

フランスを代表する知性とまでいわれる詩人、ポール・ヴァレリーの全集が本をまとめておいた段ボールの一つからようやく見つかった。
ジブリ映画の「風立ちぬ」のベースは堀辰雄の小説「風立ちぬ」と言われているが、ヴァレリーの詩「海辺の墓地」を翻訳したのが堀辰雄で、その「海辺の墓地」に「風立ちぬ いざ生きめやも」という一節がある。

何でこんなことを言っているのかというと、ロジェ・グルニエが書いた「ユリシーズの涙」という、私にとっての座右の書の一冊があり、その一章に、ヴァレリーと愛犬との興味深いエピソードが出てくるからである。

亡くなったヴァレリーのお墓は、セットという港町にあって、それこそ「海辺の墓地」なのだが、そこには墓参に訪れる人が絶えることがない。
ある観光客が墓苑の警備員に「ヴァレリーの墓はどこか?」と尋ねると、突然、「ヴァレリー!」と叫んだという。すると、かつてヴァレリーの愛犬だった犬が出てきてヴァレリーの墓まで案内してくれるのだそうだ。
生前のヴァレリーと愛犬との生前の生活がしのばれる心温まるエピソードだ。

また、ヴァレリーの名言の一つとされるものに
「狼は草に依存する子羊に依存している。草は狼によって守られている。肉食動物は草木を保護するが、草木は間接的に肉食動物を養っている」
この言葉はまさしく、100CLUBの食餌のコンセプトと寸分変わらない

 
scroll-to-top