「ペットフードで健康になる」を評する Ⅶ

本来、犬や猫たちにとって必要のない栄養成分である炭水化物=糖質てんこ盛りのペットフードと呼ばれている飼料によって、多くの犬や猫たちが糖尿病合併症に苦しんでいる。


そして、おかしなことに、そのようなフードによって引き起こされた疾病に対し、療法食というたんぱく質を制限したフードが用意されている。

糖尿病を引き起こすフードのメーカーが、それではと、まったく同じメーカーがたんぱく質制限の療法食というペットフードを販売している。


おかしな話ではありませんか。

こういうのをマッチポンプというのではないだろうか。


NRCでは、高齢犬になったら、たんぱく質を50%増やすことを推奨している。しかし、糖尿病になってしまっていれば、たんぱく質を増やしたくても、むしろ制限しなければならないのだ。


それでは手作り食ならばどうなのか。

これもやはり炭水化物=糖質がてんこ盛りなのである。


例として手作り食のレシピの定番である豆腐のおからは、豆腐の糖質が100g中0.8gに対し100g中6.4gと圧倒的に多く含有されている。カリウムも豆腐100g中85mgに対しおからは100g中230mgと多く含まれている。


それに加え、お米、パスタ、サツマイモ、ニンジンなど、人間でも糖尿病になりかねない食材を犬や猫のごはんと称して推奨している、なんちゃって栄養士や獣医が多くいて、出版やセミナーを開いているが、これほど炭水化物=糖質過多の食材を肉食動物に与えたのでは、犬や猫たちを健康に育て上げるのは不可能だといわねばならない。


犬や猫たちは、食品廃棄物(穀物、家畜、水産物など)をリサイクルし活用してくれることにおいて大きな貢献をしている、しかし一方では、必ずしも肉食動物本来の食性に適っているとはいえない飼料を与えられることによって、多くの犬や猫たちが病に冒され苦しむことになり、その飼い主さんもまた長い期間治療費に悩まされることになる。


私は、仕事柄そのような悲劇を嫌というほど見せられてきた。

今2頭のスタッフ犬がいる。

もう10歳を超え、用賀に来てからまもなく6年経つ。

この間、獣医さんにかかったのは何回だったのか記憶が定かではない。


犬や猫たちの病気の原因はさまざまかも知れないが、これだけ長いこと多くの犬を飼育してきた体験上、毎日、一生食べ続ける食餌が適正なものであるのかないのかということが、大きなファクターであることに疑う余地はない。

 
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