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2019-05-01

老人と老犬

去年の11月、心臓弁膜症の手術で入院することになった。
何とかぎりぎり正月前には退院できたのだが、全く歩けなくなってしまった。リハビリに励んで1日も早く仕事に復帰しなければならないと思い歩行訓練を始めたのだったが、1月の中旬、急に意識が無くなって、気が付いたら、また去年まで入院していた病院に再入院することになってしまった。
胃潰瘍による出血で、急性の貧血になのだという。
去年の入院で顔見知りになった看護師から「あらぁ~ お帰りなさい~。どうしたの~」とか言われたが、冗談じゃない。
家の者たちは、今度ばかりはもう助からないだろうと覚悟を決めていたと言う。

そんな事があって、今はまだ階段が上れないので、夜は1階の居間にベッドを置いて寝ているのだが、これが一人ではなく「雪之丞」と相部屋なのだ。雪之丞もまた、階段の上り下りができなくなっている。このようなシチュエーションは、「雪之丞」が生後1ヵ月半で三軒茶屋のショップに来てから、ほぼ15年余り、初めてのことなのだ。

そもそも「雪之丞」が、人間と同居するようになったのは3年ほど前のことで、それまではショップ住まいで、昼間はスタッフと一緒にいるにしても、夜はシェパードの「レイ」秋田犬の「虎次郎」「桜」「珀」という大型犬と一緒に暮らしていた。
そのせいで、「雪之丞」は今でも全く人間にはなつかない。食餌とおやつ、そして排泄時には、まるで人間に命令するかのような激しい声で鳴き要求するのだが、それ以外は飼い主のそばにも近づかないし、飼い主が近づこうもならけたたましく吼えて威嚇までする。
まるで野生の犬のようで可愛いみもないのだが、うっとうしくもない。

犬の年齢と人間の年齢を比べるのはどうなのかピンとこないところもあるが、74歳の老人と老犬同居も、一人でいるよりは空虚な感じはしない。
同じ部屋の本棚の上には「珀」の遺骨があって、毎朝線香の香りが途絶えた事は無く「珀」ちゃん!おはよう」という家内のルーティンが何年も続いていることヲ、1階の居間に寝るようになって知った。
「珀」の遺骨の隣には、いずれ自分の遺骨が並ぶことになるのか、それとも「雪之丞」が先になるのか。
時々、真夜中にそんなことを考えたりもしている。