犬の栄養について唯一の学術文献
久しぶりに、米国アカデミーによる「犬の栄養要求量」に目を通してみた。
お客様からのメールによる質問があり、その質問に的確にお答えするために確認する必要があったからだ。
私の知る限り、犬の食餌に関する唯一の学術文献だと思われる本書は、100CLUBのフードの開発に大きな力となった。
例えば犬の体重別の必要カロリー値も、100CLUBがお客様にお示ししている給餌量の目安にも活用されている。
その文献によっても、難解な数式によって導き出された必要カロリー値はあくまでも目安であり、同犬種であろうとも個体差によっては±20%の差異があると記されている。
したがって100CLUBの給餌量の目安も、その数値が計算上細かく記されていたとしても、あくまでも目安であって、毎日の飼育における観察を怠ってはならないし、生命を適正に管理するためには計算ごとでは上手くいかないこともあるのだと思う。
それにしても本書を改めて読んでみると、犬に必要なあらゆる栄養素について実験研究がなされていることに驚く外ないのだが、この研究は決して犬の側に寄り添ったものではない。
同じ原子力の学者でも、原発を推進する側なのか脱原発側なのか意見の分かれるところだが、動物学者でもペットフードを推進しようとする側につく学者と、動物園などの飼育が望ましいと考える学者とでは大いに言い分が違う。
犬と猫たちがペット化されてから、何故か動物園の動物たちとは完全に別扱いになり、幸か不幸かペットフードという発明品によって育てられることになった。
そのペットフードの発明に寄与したのが、この米国農務省のもとで、牛や豚など様々な家畜の飼料を研究している米国科学アカデミーなのである。
つまり農業関連の国策的研究であり、その結果はペットフードという巨大な産業に発展する根拠となったのであり、その成果が犬や猫たちにとって幸せだったのかどうかについては、共に暮らす私たち飼い主にその選択は委ねられている。