グレーと言われているペット社会
これまで、100CLUBのコラムやこのブログでもときどき書いてきたことなのだが、犬キチが高じて馬肉の販売をするようなことになってしまったことを少なからず後悔しているところがある。
要するに犬を趣味で飼っていればよかったのに、生体はやらなかったまでも、その食餌を販売することに手を染めてしまったことを悔やんでいる。
先日、NPAさんが主催されたルアー・コーシング・ジャパンカップを見学に行って、見学しているより、大会に参加して飼い犬が夢中で走っている姿を見て、ワクワク、ドキドキして楽しんでいる側にいた方がどれほど楽しいことだろうと、しみじみ感じたのだ。
「それでもイギリス人は犬が好き」という本を読んでみて、イギリスにおける犬文化の成り立ちについて学ぶところが多かった。
どうしてその本を買ったかというと、荒俣宏の書評を読んだからだ。
その書評の中で荒俣は、「・・・ペット業界はグレーなところがある・・・」と述べた。どういうところがグレーなのかについて具体的に書いてはいないのだが、長いことこの世界にいる身にとっては、およその見当がつく。
それが分かっているために、100 CLUBは業界に距離を置いていて意図的に孤立した立場にいる。
それでも何故か時たま業界紙が送られてきて、たまたまそれを読んでみると、正直気分が悪くなってしまう。
その理由は、愛すべき犬や猫たち、そして、その者達を愛して止まない子供たちを含めた人々を金儲けのネタにして、偽善の限りを尽くしていることがあからさまに表されているからだ。
こんなことを言うと、また余計立場を悪くし孤立することになってしまうかもしれないが、これほど不健全な、荒俣が言うところの「グレー」な業界に加わることなどとてもできない。
先だって亡くなってしまった天野祐吉がコラム「CM天気図」に書いた「金々節」を絵にかいたような業界の体質にはとても着いていけない。
これからも苦しくったって、吉田松陰ではないが至誠の道を歩み続けるほか手がないと思っている。