食性を変えられてしまったペットの悲劇

犬や猫たち、そしてその仲間たち、つまりネコ目の動物たちの胃腸を解剖し分析すれば、生前その子たちがどんなものを食べていたのかが分かる。

ここで大事なことは、同じ肉食動物の仲間であるのに、ペットとなってしまった犬や猫たちの胃の内容物と、野性や動物園の仲間とはそれがまったく違うことだ。


ネコ目と分類されているということは、その食性が肉食動物、つまり捕食動物であるということで一致しているグループということなのだから、その生息地域の違いがあろうとも、胃腸の中のものはすべて捕食されてしまった動物の未消化部位が出てくる。

ここでは、間違っても米や小麦など炭水化物、トウモロコシやサツマイモと言った穀物などはまったく出てこない。


ところが、ペットして育てられた犬や猫たちからは米や小麦など炭水化物、トウモロコシやサツマイモなどの成分がたっぷり出てくるのである。

この結果は何を示すのだろうか?

また、この地球上の自然の生命は、食物連鎖、自然淘汰という法則にのっとって進化を遂げてきた。


その法則を打ち破ってしまったのが、どうやら私たち人間のようで、言いだしてみれば切りのない話になってしまうので止めておくが、犬や猫の食性を無理やり変えてしまったという暴挙はどうにも許しがたいし、現代においては、犬や猫たちの存在が、巨大なマーケティングのツールとなってしまった。


食性に適った食を与えられないという悲劇をこうむった動物は、ペットになった動物の中でも犬と猫たちが特筆すべき存在ではないだろうか。

熱帯魚、金魚、猛禽、蛇などのペットは、犬や猫たちに比べればはるかに全うな食餌をしている。

 
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