続・ついにペットフードが・・・

前回のコラムを、怒りに任せて書いてしまった直後、深夜のテレビニュースを見ていたら、怒りが収まるどころか正直言って泣きたくなってしまった。

あるコンビニでは、弁当や食品の品質保持期限が切れた商品を食品リサイクル工場に出荷する。毎日10トン近くの量が工場に持ち込まれるそうだ。
工場では、それらの食品廃棄物をベルトコンベアに乗せ巨大な機械に送り込む。ビニールや発泡トレイにくるまれたまま機械に入っていくので、どうなることかと見ていたら、工場の方はテレビのリポーターに対し、梱包部分は機械が分別してここから出てくるのです、と自慢げに説明した。確かに食品以外の梱包材が排出口から続々出てくる。

次に、処理した食品を最終的に排出する出口からは、完成品の粒状のペレットが排出される。工場の方はそれを手にとって、これが家畜の飼料になるのですと、また胸を張って答えていた。
とんかつ弁当やから揚げ、てんぷらなど、あらゆる食品廃棄物はものの見事に異物は取り除かれ飼料になってしまう。

この優れものの機械は随分高価なものだろうなぁ、とんかつが多めに残った日などは、豚がまた豚を食べることになってしまうのか、などと、くだらないことをぼんやり考えていたのだが、このように作られた飼料はペットフードにも使われているということを誰かに聞いたことを思い出した。
もしそうだとしたら、こんな飼料を犬や猫たちに与えれば、完全に病気になってしまうこと請け合いだ。

米国のペットフードのリコール問題は、殺鼠剤が原因であり、特殊なケースであり事故であったとかたづけられる問題ではないと私は思っている。

各有名ブランドが、それぞれ喧伝している商品理念が、実は嘘っぱちで、OEM(Original Equipment Manufacturing:設備コスト削減のため、各種ブランド品を一手に引き受け製造するシステム)だったという問題については、一体どんな説明で切り抜けようとするのだろうか。
お客様から、国産品なら安心ですか、と聞かれても、他社の中傷は慎まねばならないと思っていたのだが、テレビで堂々と、食品廃棄物によって生産されるリサイクルフードの製造過程をまざまざと見せ付けられたとなると話は違う。
全てとは言わないが、国産ペットフードもOEM方式で作られているケースはかなり多いのである。
そして、コンビニ弁当の廃棄物から出来ているフードも沢山出回っているのです。

某コンビニ会社は、今回のテレビ取材を、自社の透明性を高めることでのイメージアップ戦略だと考えたのかも知れないが、こんな飼料を食べさせられる犬や猫たちのことも少しは気遣って欲しいものだと思った。

しかし、このような実態を明らかにしてくれたことで、愛犬、愛猫家の皆様のフードの選択に、より正しい判断基準を与える役割を果たす結果にはなったのかも知れない。

そう考えるより、怒りの持って行き場がありません。

 
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