竣介ブルー

今日を外すと終わってしまうところだった「松本竣介生誕100年記念展」を観に、世田谷美術館に出掛けた。
自転車で、たった5分もかからない美術館に、しかもこれほどの至宝ともいえる美術品が並んでいるのに、もしこれを観はぐってしまったとしたらもう生きてる必要もない。
平日にもかかわらず、じっくり観るには人が多すぎるほどで、松本竣介ファンは相当なものだなぁと感服した。

松本竣介の「・・・・・絵の静かさ、美しさは、彼が聾者だったといことではなく、突然、聴覚を失うことになるという残酷な運命を、自分のものとして甘んじて受け容れた(実際、それ以外にどうしようがあっただろうか)彼の、その運命への従順さに由来するのではあるまいか」
これは私の師、洲之内徹の言葉なのだが、作品ごとに繊細な感性が溢れ、それが会場全体に静粛な音楽が流れているような空気を漂わせている。

仙台の宮城県立美術館の「洲之内徹コレクション」からも名品数点がきていて、懐かしい想いと、こういう作品が作られていた時代への郷愁の念にかられた。

 
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