現代版「生類憐みの令」

元禄5年。徳川綱吉の代、「生類憐みの令」が発布された。

その犬を収容所の第一号は世田谷区の喜多見であったが、喜多見には収容しれきれず、中野、新宿の大久保と増設されることになった。それでも満杯になり多摩村に大きな施設が移され10万頭とも言われる犬たちが餌を与えられ飼われていた。


この「生類憐みの令」は村民から餌代を徴収したりしたものだから、今でもこのことに対する評価は天下の悪法と評されている。

綱吉はこの点以外においては名君であったとの評価もある。


昨今、全国的に犬、猫の殺処分ゼロ運動が盛んになり、里親、保護犬といった、飼い主を何とか探して、犬や猫たちの一生を全うさせようという流れが主流になってきている。


時代というのは変わるもので、元禄時代では天下の悪法とされたものが、現代では

動物愛護精神が国を挙げて広められる時代になった。


この現象について、自分としての評価は複雑で、善行には違いないが、そのことで人間が不幸にならないことだけは願って止まない。


犬や猫たちと暮らすことは何にも代えがたい至福であると思うのだが、一歩トラブルに見舞われると人間の生活が滅茶苦茶になってしまうこともある。

十分余裕をもって、なお生き物であることを念頭に置いて、賢い選択をしなければならないと思っている。

 
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