犬の身になってみよう

「ヒトラーがドイツでやった全ての行為は法的だったことを決して忘れてはいけない」  
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの言葉である。

犬や猫との生活は思うほどお気楽なものではなく、法的には様々な規制を受けている。
そして、その法律なり規律を守らなければ、とりわけ都会では犬や猫を飼うことは容易なことではない。
しかし、その法的規制が、果たして犬や猫にとって有難味のあるものなのかどうなのか、むしろそれらの規制が人間側の危険回避や利益のためにとられているものなのかよくよく考えてみなければならない。

先日、車で環状8号線を走っていて、東京都動物愛護センターの前を通った時、その掲示板のポスターに目が留まった。
そこでは「あなたのすぐそこに狂犬病が!」というキャッチフレーズで毎年一回の狂犬病の予防注射を呼び掛けていた。
いかにも狂犬病の犬が身の回りにうようよいるかのようなコピーだが、この歳まで狂犬病の犬を見たこともなければ聞いたこともない。
日本では50数年間も狂犬病の発生は認められていない狂犬病清浄国なのだが、それでも毎年狂犬病の予防接種が義務付けられている。
それをしなければ公園のドッグランにも入れない。

このような規制とか、まったく意味の分からない犬や猫の飼育に関する約束事というか常識と言われ、それを疑いもなく実行している飼い主の方々も、いわば無意識の被害者となっている可能性もあるのではないだろうか。
そして、いつ何時も犬や猫は人間様の言いなりで、愚痴のひとかけらも言うことができない。
狂犬病の予防接種で、年間100億円以上とも言われている集金額を、いっそのこと犬税として集めたほうが余程すっきりするし犬も助かるのではないだろうか。

 
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