無頼の優しさ

20年来の不眠症で眠剤を呑まなければまったく眠れない。
それがこの数日、それでも眠れないので一晩中本を読むかジャズを聴きまくっている。

前日の夜は、洲之内徹が「守りは固し神山隊」という作品の中で、高見乾司という湯布院に住む絵描きが話す鹿狩りの話しをしていたことを思い出し、「さらば気まぐれ美術館」を引っ張りだしそこのところを読もうとしていたところ、最初の章が「トドを殺すな」で、それを唄う友川かづきのことが気になって、そこからYou Tubeで友川の唄を朝まで聞くことになってしまった。

友川かづきは、歌手・画家・詩人・酒豪・競輪評論家そして何よりも土方である秋田弁丸出しの表現者である。

その絵を持っているはずなのだが何とか探し出してみようと思っている。

洲之内さんが取り上げた「トドを殺すな」の一節は次の通りだ。

   「かわいそうなトドと、かわいそうな人間に歌います」

    北海道の空と海の青
    書置きのようにして動物たち
    役に立てば善だってさ
    役に立たなきゃ悪だってさ
    誰が断を下したんだよ
    トドを殺すな トドを殺すな
    俺たちみなトドだべ
    おい 撃つなよ
    おーい 撃つなよ
    おい おい 撃つなよぉ

このような詩を、秋田弁で咆哮するのである。

 
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