招猫観音様にお参りする

永いこと福が来ていないような気がして、招猫観音にお参りでもしてみようと思い立って、朝、用賀に向かわないで豪徳寺に自転車を飛ばした。
お参りの後、境内を散策し写真を撮ったりした。

この大谿山豪徳寺には、安政の大獄といわれる政令を降した井伊直弼の墓所がある。井伊直弼は桜田門外の変で水戸、薩摩の藩士によって暗殺されたが、その政令によって刑死された吉田松陰の墓所は、これが何と自転車で5分もかからない松陰神社にある。
今で言えば、原発推進派と脱原発派の政争のようなもので、江戸時代末期には、脱原発などといいデモの先頭に立っている大江健三郎などは捕まって死刑になってしまったかも知れない。
また、原発推進派も井伊直弼が桜田門外で暗殺されてしまったのだから、江戸時代なら命懸けだったのではないだろうか。

とにかく井伊直弼の政治と吉田松陰の思想は相いれず、その結果、双方共が命を落とすことになってしまったのだ。
映画や小説などで、これまではどちらかというと井伊直弼が悪役と見做され、吉田松陰が正義という扱いであったように記憶している。
そういうことになると、悪役の墓所となっている豪徳寺の招き猫は余りご利益が無さそうに思われてしまうのだろうか。

一説によると、招き猫の元祖は豪徳寺らしい。
小判や熊手などで飾り立てた欲の皮が突っ張りまくった招き猫でなく、とても素朴な感じが何とも愛らしい。
最近になって、政治家として井伊直弼も再評価されていると聞く。
こういうことの白黒なんて簡単にはつけられないだろうし、招き猫には何の関係もないのだから、可愛い猫ちゃんを素直にお祈りすればそれでいいのではないだろうか。

 
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