手作り食って、何?

 「ペットフードが危ない」という最近出版された本に100CLUBのことが出ている、と言う話を聞いて早速本を買って読んでみました。
そういえば数ヶ月前に、このような本を出版するので100CLUBを紹介したいと言う申し入れがあったことを思い出しましたが、出版したことは聞かされていませんでした。
ところで従来のペットフード、ドライフードや缶詰めというインスタントフードには、犬や猫たちの健康にとって問題をひき起こす要因が多々あることはこの本の指摘する通りだと思います。
そうであるならば、犬や猫たちにいったい何を食事として与えればよいのか、ということになるわけですが、この本の後半部分に紹介されている、いわゆる「手作り食」なるものが私にはどうしても腑に落ちないところがあるのです。

 ドライフードの問題点を要約すれば


  • トウモロコシ、大豆、小麦、米などの穀物が主原料となっていることで  アミノ酸バラ ンスが悪く、またアレルゲンとなり易い。
  • 一粒ずつ油でコーティングしなければならないことで、その油の酸化を防ぐため酸化防止剤を使用せざるを得ない。
    もし無添加と言うのが本当だとしたら、むしろその方が危険だと言わねばならない。
  • 原料が劣悪であるため、高熱加工を施すことで酵素(48度Cで死滅する)が全く入っていない食品であるため慢性的な酵素不足に陥る。このことが免疫不全、抵抗力の低下を引き起こす。

 つまり、このようなインスタントフードを、毎日食べ続けなければならない犬や猫たちは、本来の生命力を100%発揮することがなく生涯を過ごす事になるのです。
当然様々な疾病に冒され易くもなるのです。
したがって、インスタントフードを止め、手作りフードに切り替えるべきなのですが、その際考慮しなければならないことは、先に述べた問題点は全てクリアするということでなければ折角「手作り食」にしたことの意味がないと思うのです。
穀物をベースとしたり、加熱加工した食事では、インスタントフードの弊害を払拭したことにはならないのです。

 人間の食事と、犬や猫たちの食事は根本的に違います。
因みに、ウサギにコレステロールを与えると、血液中のコレステロールは20~30倍に増加しますが、犬や他の肉食動物に与えても増加しません。また、人間の唾液はアルカリ性で、炭水化物を消化するためのアミラーゼを含んでいます。
犬の胃液は、人間の胃液よりも20倍強力な酸で、動物の組織や骨を消化しやすくなっています。
したがって人間の体にはアルカリイオン水がいいと言っても、犬にそのような水を与えることは好ましいことではないのです。

 犬や猫たちを一生涯健康に育てていくためには、その基本となる毎日の食事が適正なものでなければなりません。
犬や猫たちが肉食であり、且つ生食であることを必然としていることは既に自明である以上、この基本に沿って「手作り食」の内容について考えていくべきではないでしょうか。
そうでなければ犬や猫たちの食事は、いったい何が正しい食事なのかということについて、飼い主の皆様の悩みは一層深刻なものとなって、ひいては犬や猫たちの健康に新たな障害をもたらすことになりかねないことを懸念するものです。