奇跡の恩恵

コンピュータが登場してから、様々な分野に留まるところを知らないほどの技術革新が展開していることは驚くばかりだ。

そのいずれもが、目標としているところは無人化で、ロボットやドローンと呼ばれる宅配ヘリまで実用化されるようになった。ロシアでは宅配ピザもドローンが使われるようになり、アマゾンの宅配も同様に宅配が無人化されると聞く。


人間の文明の進化は計り知れない便利さと、空恐ろしさまで感じるところもある。

このような状況は、人間が進化しているのか単に技術が進化しているのか分からないが、少なくとも政治や文化の分野においては、人間として進化しているとはとても思えず、むしろ劣化が進んで腐り始めたのではないかとすら思える事象を嫌というほど見せつけられている。


私たちは犬や猫たちと暮らしている。

その犬や猫たちは、何万年も以前から、私たち人間と共に暮らしている。それでも文明や技術的な進化は全く見られない。人間たちの残飯や人糞を食料としていた原始の頃から今以て何も変わらない生活を送っている。

私たち人間は、そういう原始時代となんら変わらない犬や猫たちと、ともに暮らしていることが当たり前すぎて、その恩恵に気付かないでいるのではないかと思うことがある。


これが犬や猫というロボットだったとしたら(以前、アイボという犬ロボットのことを書いたことがあった)いったい何の恩恵があるのだろうか。

私たちが犬や猫たちと暮らしを共にすることで、最も尊き人間性の発露を体験する奇跡の日々を送ることができる。

その、何物にも代えがたい恩恵を授かっていることを決して忘れてはならないと私は思っている。