ディンゴを山に放ってみよう

一人の人間が、知っていることと知らないことを比べてみれば、知らないことの方が何万倍も多いのだろうと思っている。
だから、ものが分かっているような、いわゆる知ったかぶりを言わないように気を付けているつもりなのだが、一言も二言も口数が多いのが悪い癖で、ついつい余計なことを言いがちなところを改めていきたい。

今日、朝早く、といっても午前二時頃、オーストラリアのディンゴを取り上げたBBCドキュメントをみて驚いてしまった。
オーストラリアでは、放牧している牛や羊を、野犬のディンゴから守るため、ディンゴフェンスなるものを5000キロ以上もの距離に敷設しているというのだ。
日本列島がおよそ3300キロなのだから、それを往復するようなフェンスが張り巡らされている。現代の万里の長城といっていいのかどうか分からないが、日本の小ささを思い知った感があった。

ディンゴフェンスの内と外、つまり牧畜側とディンゴ側とでは、動物の生態系がまるで変ってしまう。生態系の頂点に位置するディンゴが住む側では、あらゆる動物の自然の生態系が健全に保たれているのだが、牧畜側では外来動物の兎や在来種のカンガルーなど、草食動物が増え過ぎ人間が駆除しなければ砂漠化が進んでしまうことになり牧畜の餌も脅かされることになってしまう。その被害は甚大なもののようだ。

ただし、ディンゴフェンスのあるすべての地域がこのような理想的な環境にあるということでもなく、ディンゴが増えすぎた場合などは毒物や銃器による駆除も行われているようだ。
また、マレンマーノ・シープドッグという真っ白な大型犬で、狼からでも羊を護るという能力を持った犬を導入することで、ディンゴから羊や牛を護っている姿も紹介された。

それにしてもディンゴは魅力的な犬で、飼えるものなら飼ってみたいと思ったが、それよりも、今、日本の野山には鹿と猪をはじめ草食動物が爆発的に増えてしまい、その被害がとんでもないことになっている。
そこで提案なのだが、オーストラリアからディンゴを輸入して日本の野山に放してみたらどうなのだろうか。山には獲物で溢れているのだから、間違っても人間を襲うことなどないだろう。山神様の復活で、日本の自然が再生するのではないだろうか。

オーストラリア・ディンゴを日本の山に放つ運動を真面目に考えてみる方おりませんか。

 
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