ショップの断捨離

このところ、70年というキーワードが頭にこびりついて様々なことが想い起こされ何にも手に付かない状況に陥ってしまった

70年となれば自身の歳である訳で、今年開かれた様々なイベントに戦後70年というキャッチがつく。
そうなると、どうしても自身の70年の来し方行く末に深い思いを巡らすことにならざるを得なくなった。そしてこのことが、これほど辛い思いにさいなまれる事になるとは思ってもいなかった。

しかしその事が、今回、店舗を移転する決断にもつながった。
仕事版「断捨離」を敢行した訳だ。
「断捨離」というのはヨーガの教義だそうだが、用賀に6年間行を続けて悟った行動であろうと自身では思っている。
それは冗談にしても、振り返ってみれば、三軒茶屋に6年、駒沢公園に6年、そして用賀に6年。
不思議なことに6年単位で店舗を移転していて、創業18年ということになる。

これからどうしようか。
今回の移転は、70年間生きてきた体験から、これからの時代がそれほど安穏とした時代ではなかろうという予感も感じている。
それがどんな現実なのか分からないが、とりあえずまだ頭は巡っているので、全国のご支持をいただいているお客様のご相談にのることや、商品をお届けし続ける責務は果たさねばならないのだろうと思った。

そのためには、どれほど厳しい世の中になっても耐え切れる体制を組みなおさなければならないと考えた結果が今回の「断捨離」移転になったのだ。
敬愛する二人の日本の洋画家が好んで揮毫した言葉に「無一物中無尽蔵」がある。
これは禅の言葉だが、無論ヨーガの教義にも通じる。
このような心境、思想が生かされる時代を私たちは迎えたのかも知れない。