もう、まやかしは止めよう

これまで余りにも言い難かったことなので、遠回しな言い方しかしてこなかったつもりだったが、もうここら辺でズバッと言ってしまった方がスッキリするので、あえて言うことにする。


いったい国家たるものが、ペットである犬や猫たちの健康食とは何かということを眼目に、多額の税金を使って研究をしたりするものだろうか。

皆さん、どう思われますか?


まさしく、アメリカ農務省はその下部組織であるアメリカ科学アカデミーを要して「犬の栄養要求量」という文献をものにした。

これが「NRC」の基準値といわれるもので、それに異を唱えて「AAFCO」の基準値が業界をスポンサーとする団体によって別途定められた。

いま、日本のペットフードは、おおむね「AAFCO」の基準値に沿っていることを金科玉条の如く謳っている。

本当にそれでいいのだろうか?


そもそも論を言うならば、アメリカの農務省が、犬や猫たちの健康を願ってペットフードの研究をしたのだろうか。

そんなことがある筈はない。その目的は他にあるに違いないと考えるのが常識だと思う。家畜の飼料であるならば、その研究についてはうなずけるものもある。

それでも「NRC」の「牛の栄養要求量」では、BSE問題を引き起こした。


犬にしても猫にしても、肉食動物であり捕食動物であることを大前提に考えるならば、彼らにとって当たり前の食材を栄養分析し、それを別個の原料を用いて再構成するなどという必要が何処にあるのだろうか、という疑問が沸々と湧き出てくる。


つまり、アメリカ農務省、大手食品会社、農産企業は巨額な食品廃棄物の処理費用を、如何に削減するべきかという大命題を、ペット愛好者を騙してものの見事に解決したのだ。

本音は、食品廃棄物の有効活用であり、また肉を食らうのはわれわれ人間で、如何に肉食であろうともペットごときに肉を食べさせるわけにはいかない。


まさか、そう言う分けにはいかないので、実に巧妙なやり口でペットの愛好者を騙したのだ。

獣医大学、獣医師会、獣医、ブリーダーなどを巻き込んだ国を挙げてのマーケティングを展開した。

「獣医師が推薦する」「トップブリーダーが・・・」「総合栄養食」


かくして、ペットフードという犬や猫たちにとって余り健康にはよろしくない、余りにも矛盾だらけのAAFCOの基準なるものが、あらゆるペットフードの規範となってしまったのだ。

このAAFCOの基準があるために、手作り食というジャンルにおいても、絶対与えるべきではない米や小麦などの炭水化物(糖質)を用いることに躊躇すらしない。


災難なのは犬や猫たちであり、そのことで獣医通いになってしまう飼い主さんたちだ。

もういい加減に、こんなまやかしは終わりにしませんか。

 
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