どっちが主人?

先日、英国のBBC放送の女性キャスターが、これまでの犬に関する常識を覆す内容の本を出版し大変話題になっている、というお話を、お客様のYさんから聞きました。
Yさんは英国の日本大使館で永いこと日本文化を紹介するお仕事をなさり、今は大学の先生です。
ご夫婦揃って大の愛犬家で、まるでお孫さんのように可愛がっておられます。
お話によると、この本の中で著者は、


「犬は飼い主である人間を
決して主人と思っている訳ではない…」


と述べ、多くの実例を示しているとのことです。
そのYさんは100CLUBのフードを初めて愛犬に与えた際、すぐには食い付かなかったので、ご自分が犬の振りよろしく四つん這いになり、食器に顔を付け犬食いをしようとしたところ、愛犬もあわててバクバク食べ始めたそうです。
この方法は本が参考になったとのことで、より良く犬を飼育するための示唆に富んだお話だと感服しました。

 犬は群れて生活する動物です。
多頭飼いを経験された方はご存知かと思いますが、犬は犬たち同士で付き合い、とても安定して落着いた行動をとるようになり、さほど人間に興味を示さなくなります。
一頭飼いの場合、犬は飼い主の一挙一動に眼を凝らし、また常に自分に関心を持たせるための色々な行動をとります。自分以外に犬はいないのですから対象となる人間という変わった犬種に対して、自分がリーダーとして主導権を取ろうと必死になっているのではないだろうか…… そんな風に感じたことはありませんか?

 Yさんのお話を聞いて、まだ本は読んでいないのですが、著者が言わんとしていることはその通りかも知れないと改めて考えさせられました。
いたずら好きだったり、仲々言うことを聞かなかったり、鳴き声がうるさかったり、ちょっとナイーブだったり、色んな性格を持った犬たちがいて、人間の思い通りにいかない犬たちも、それは犬たちの都合や考えがあるのだろうと、たまには犬の立場になって出来る限り犬と同じ生活行動をとってみたら、犬を飼育することの新たな楽しさの発見に繋がるかも知れません。
ただし、誰にも見られないところでやってください……

 
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