あきたびじょん

7月7日、日曜日。午前8時30分に家を出た。
秋田駅に着いたのが午後2時を少し過ぎていた。秋田から森岳までの乗継が上手く行かず秋田駅構内で1時間以上待ちになってしまった。
お茶でも飲んで時間をつぶすより仕方なく、喫茶店を探しながら構内をぶらついていると、そこでとんでもないポスターが目に入り一瞬息が止まった。
木村伊兵衛じゃないか!

ずっと昔、私は、木村伊兵衛の写真集「秋田」の中にある、この「秋田おばこ」の作品に魅せられた想いがあった。
それが思いがけなくこんな大きなポスターになって出迎えてくれた。
コピーは「あきたびじょん」というもので、最初は小文字の「よ」が見えなかったので「あきたびじん」と読んでしまい、そんなコピーはないだろうと思ったが、よく見ると小さく「ょ」とあったのが分かって納得した。

このポスターは、決死の覚悟で秋田までようやくたどり着いた疲れをいっぺんに吹き飛ばしてくれた。
しかし、ポスターのテーマは東北支援なのだから、こちらが東北を支援しなければならない立場なのに、逆にこちらが支援されているようで情けない話ではあるのだが、これから先2時間かけて目的地に到着する、そこに何が待っているのか改めて期待が膨らんだことも事実だった。

 
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