「ペッフードで健康になる」(坂本徹也)を評する Ⅰ

2005年2月。光人社から発行された「ペットフードで健康になる」(坂本徹也著)を久しぶりに読んでみた。

帯には「危ないペットフードはもういらない!」(正しいフード選びで、動物たちを幸せにしよう)と謳たってある。


もう今だから本書について多少批判めいたことを話しても良いだろうと思った。

著者の坂本さんとは、この本の取材が始まった頃からの付き合いで、その時から坂本さんは喉頭がんを患っていて、出版後4~5年後に亡くなってしまった。


坂本さんは2頭のミニチュアシュナウザーを飼っていて「アッシュと歩いたヨーロッパ」(主婦の友社)「良い獣医さんはどこにいる」(WAVE出版)「ペットの命を守る」(ハート出版)「二歩先をゆく獣医さん」(光文社)など、ペット関連の本を著していて、ペットジャーナリストとしての立場を確立していた。


「ペットフードで健康になる」に取り掛かる当初、坂本さんから相談があった。

「誰かしっかりした優秀な獣医さんを知りませんか?」

というもので、私は即座に、錦糸町にある「谷澤動物病院」を紹介したのだった。


この本の冒頭第一章は「ペットフード、7つの大罪」とあり、続けて、・ペットフードなんかあげちゃ駄目なんだ、という第一のタイトルが書かれてある。

そして本文は、谷澤先生の言葉として

「ドライフード?そんなものを食べさせているからこんなことになるんだっ!」

谷澤浩二先生の怒声は、きょうも待合室まで響いてくる。


私はこの本が出版されたとき、坂本さんに少し文句を言った。

ペットフードといわれている、その手のものは、谷澤先生のドライフードの否定からから始まるこの本では、そこに紹介されている殆どの国産メーカーがドライフードなのだから、大いに矛盾する内容になっているのではないか。

タイトルが「ペットフードで健康になる」ではおかしいのであって、「ペットフードでは健康にならない」とするのなら矛盾がないのではないか。

はじめに、として書かれてある、坂本さんが影響を受けたと思われる、カナダ在住のアン・N・マーチンが書いた「食べさせてはいけない!」「恐ろしいぺットフード」(白楊社)

と、谷澤先生の言葉は一致する。


そうなるとこの本の内容と、タイトル、第1章、書き出しには大きな矛盾があり、読者を混乱させることになりはしないか。

私はそのようなことを坂本さんに話した。

しかし、本が出来ちゃってからそれを言われてもどうにもならないし、自分の思いは十分書き込んだつもりだし、分かる人には分かってもらえるのではないかと思う、と答えた。


「ペットフードで健康になる」が出版されてからほぼ10年。

坂本さんが亡くなるまで、私とは濃密な関係が続いたのだが、このたび本書を再読して、いろいろと思うところがあったので、このブログで数

 
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