「ペットフードで健康になる」を評する Ⅵ

ここまで書いてきたとおり、ペットフードという商品は、食品廃棄物(残滓物)を如何に有効に活用するか、という課題を、農政、獣医学会、食品業界、農業界等、こぞって作り上げた、犬、あるいは猫という家畜の飼料である。


通常、われわれが食糧とする家畜は草食系の動物で、これらの家畜飼料はずっと以前から確立していたところがあり、特別に飼料も作られているが、放牧しておけば勝手に餌を取ることもできる。


ところが、犬や猫という肉食動物の飼料ということになると、NRCなりAAFCOなり、食品廃棄物の中から必要な栄養素、栄養量を相当慎重に研究しなければならなかった。

しかしここには相当の無理がある。


肉食動物に対し本来必要としない炭水化物を大量に使用せざるを得ない事情があったからだ。

何故なら、食品廃棄物の有効利用を目的としたペットフードの開発にとって、廃棄物の中で最も安価な穀物を利用しない手はないと考えたからだ。本来の犬や猫たちの食性を無視して、あたかも現代では雑食動物になったなどというデマまで流す始末なのである。


このような食品廃棄物(残渣物)の再利用は、一方で、われわれ人間の食糧を安定供給するために、家畜には同等の食糧を与えるわけにはいかないという事情もあるだろう。


食品リサイクル法では、食品に由来する食品廃棄物
(未利用資源)の有効活用と同時に、・・・・・・残渣、食品の売れ残りや食べ残し、食品残渣の発生抑制に努め、発生したものについては再利用が不可能ならば飼料化や肥料化・・・・食品リサイクル法により、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用の促進が図られた・・・・とある。

犬や猫たちは、このような理由によって国策的に作られたリサイクル飼料、いわゆるペットフードを食べさせられることで、大いに社会貢献しているのである。

しかし問題は、犬や猫という肉食動物に半分以上もの炭水化物を与えて、健康上問題がないのか、ということになると話は別だ。

それでも何とか生きていられるのかも知れないが、本書の中で獣医さんが話している通り、癌を筆頭に、人間の生活習慣病と同じ病気が多発するようになっていると言っている。

癌の多発もさることながら、ペットフードにこれほど炭水化物、つまり糖質が含まれていることで起こり得る疾病の最大のものは糖尿病ではないかと私は思っている。

糖尿病からくる合併症も多発しているのではないだろうか。

悪いことに、アンチ・ペットフード派が「手作り食」という事を言い出して、何とかのおじや、つまり炭水化物=糖質。また糖質の高い食べ物として、ジャガイモ(イモ類全般)/カボチャ/人参//とうもろこし/ブロッコリー/キャベツなどがあげられるが、犬が喜んで食べるからといって、このような食材を与えることは糖尿病を引き起こす危険な食材として、犬や猫たちには絶対与えてはならないものだと考える。

炭水化物が犬や猫たちの健康被害の諸悪の根源になっていると、私は確信している。

 
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