「くるみ」の子は「みるく」

なまはげの地、男鹿半島を一周するドライブに誘われた。
その途中、男鹿水族館に立ち寄った。
白熊の繁殖に成功し、その母熊と子熊が展示されているということだった。
母熊の名前は「くるみ」といい、その子熊には「みるく」と名付けられた。
100CLUBの女性スタッフにも「くるみ」という名の子がいるが、結婚して子供が出来たら「みるく」と名付けることを薦めてみようと思う。ここに書いたら怒り出すかもしれないが書いてしまったので、もう取り返しがつかない。

ところで白熊の展示室は巨大なもので、陸地とプールが設えてあり、プール側から観覧出来るようになっている。
子熊の「みるく」は陸地でバケツのような玩具に夢中になって遊んでいて、その様子を見ながら母熊は行ったり来たり忙しなく動き回っていた。
するとやおら、「くるみ」が「みるく」の玩具を取り上げプールに投げ込んだ、その直後「くるみ」がプールに飛び込んだ。
近くに寄って観ていた観客は驚いて「キャーッ」と大声を挙げて仰け反った。

玩具を取り上げられてしまった「みるく」は、それを欲しがる素振りをして水際にまで来て立ち上がったりしてイラついているのだが「くるみ」は玩具を渡そうとしない。「みるく」を何とかプールに入れようという目論見なのだから何回も何回も繰り返し誘い続ける。
飽かずその様子を観ていたが、私が観ている内には最後まで「みるく」はプールに入ることはなかった。

ホッキョクグマは泳ぎが得意にならなければ生きてはいけない。
約6ヶ月の子熊に、まず水を恐がらないよう教え、その内、水中でのスピーディーで自在な泳ぎを教え込んでいくのだろう。
人間の教育も同じことだと思うのだが、このたびの、母熊の子熊を教育する根気強い姿には心を打たれたし学ばねばならないとも思った。

因みに、この巨大なホッキョクグマは肉食獣であり、その食餌は当然の事ながら一日「生馬肉4Kg」と若干の「シリアルズ」「ヴェジタブルズ」である。

 
scroll-to-top